2000系

●概要

1962年に神戸線用として導入された車両。1966年まで製造された。京阪神高速初のオールステンレスカーとなり、駆動方式も中空軸平行カルダンを採用した。1980年より電機子チョッパ制御に順次改造し、回生ブレーキを使用することで省エネに貢献している。オールステンレス車体を採用したことにより状態は良好である為、老朽化による廃車は発生していない。現在神戸線・四条畷線と西宮線で運行している。
●諸元
形式 2000形(Mc)、2100形(Mc')、
       2200形(M')、2300形(M)、
       2400形(M)、2500形(M')
編成 6・4両編成
在籍数 72両
製造 1963年〜1966年
営業最高速度 110km/h
設計最高速度 110km/h
起動加速度 2.6km/h/s
減速度 4.0km/h/s(常用最大)
          5.0km/h/s(非常)
最大寸法 長さ 18880mm
             幅 2800mm
             高さ 4067mm
車体材質 オールステンレス
主電動機 直流直巻電動機
             TDK-814-B
出力 75kW×4基/両
駆動装置 中空軸平行カルダン
制御装置 電機子チョッパ制御
台車 ペデスタル式コイルばね台車 FS341
       S型ミンデン台車 FS390
制動装置 HSC-R 電磁直通電空併用抑速式
保安装置 京阪神型ATS
●配置区所
西宮工場
●運用範囲 
神戸線(梅田〜湊川)
四条畷線(四条畷〜梅田)
西宮線(西宮〜西宮北口)

1963年、名神本線の都市部各駅停車用(現在の西宮線・神戸線用)として製造された。

当時、近畿圏では高速道路の建設と合わせて公共交通の確保を目的に新たな鉄道路線の建設を進めていた。この計画により、1958年に大阪電気鉄道は京阪神都市整備公社に移管し、1964年に名神本線京都ー西宮を開業させることとしていた。そこで、この開業に伴う増備車を製造することになった。
しかし、名神本線は公共交通として沿線から利用しやすくする為、駅間距離が短く各駅停車においては高加速・高減速の性能を必要とした。この為、既に京都線に投入していた1000系や1500系は神戸線に不向きであった。又、急行を導入した際に神戸線は駅間距離が短いことから、転用予定であった東西線の800番台車では次の待避駅まで逃げ切ることができず、これらの置き換えも必要とした。そこで、新たに新車を設計することにし、急行系に関しては1500系の増備や1000系・1030系と600V線区用の800番台車を急行に転用することで必要本数をそろえることにした。こうした背景で登場したのが、高加速・高減速の性能を持ち、更に当時の最新技術を取り入れた2000系である。
2000系は19m・3扉と1500系とほぼ同じ規格ではあるが、当時の東急車両の最新技術であるオールステンレス製が採用された。このオールステンレスはアメリカのバット社と東急車両の技術提携により開発されたもので、東急7000系・京王3000系・南海6000系などが採用しているものである。全体的なデザインも直線的なデザインとなった。前面は東急7000系をベースとしたデザインとなったが、窓ガラスの支持方式が金属支持となり、角が角ばっている。更に、正面左側を開閉可能な二段窓となった。側面は運転台側からd1D3D3D2の扉・窓配置となっており、阪神5201・5231形と同じような配置となった。側面窓はこれまでの一段上昇式ではなく、上段下降下段上昇式の二段式ユニット窓となった。戸袋窓は無い。車内はオールロングシートとなっており、オーソドックスな車内となっている。化粧板は白色で、扉は塗装仕上げとなっている。床下機器は阪神7801形をベースとしたものとなっており、台車には金属バネ台車、制御方式は電動カム軸式直並列制御となった。ブレーキは一般的な発電ブレーキ付きの電磁直通ブレーキとなっている。しかし、加速度を上げるため、オールM構成となっており、MM'ユニットを採用している。
1963年に名神本線各駅停車用に4両編成12本が投入され、西宮工場に配置された。組成は2000形(Mc)-2200形(M')-2300形(M)-2100形(Mc')とした。当時は名神本線の各駅停車全列車において2000系が使用された。
1968年から1971年にかけて4両編成4本が年1本ペースで増備された。これは、1970年の名神本線西宮ー神戸延伸開業に伴う増備である。延伸区間に対して増備本数が少ないのは、在来車の改造も併せて行った為であり、800系列の改造車の200系や1000系・1500系改造の1200系が登場すると、それらの車両と混用されるようになり、時には混結したりすることもあった。
1977年からは冷房改造が施行され、1両あたり3基搭載された。この冷房装置はクーラーキセ・冷房能力共に阪急と同じ10500kcal/hのものを3基搭載した。他系列ではMc車・M車についてはパンタグラフ増設を考慮して冷房装置を中央に寄せられているが、2000系などの名神本線各駅停車用の系列は転属を考慮しなかった為、Mc車やM車であっても冷房装置は均等に配置された。この冷房改造は1981年には在籍車全車完了した。
1981年から1986年にかけて6両編成8本が製造された。これは、1981年に神戸線梅田ー西宮開業・運転系統の変更により名神本線が西宮線と神戸線に再編されたものによる増備である。このグループからはいわゆる後期型と呼ばれるグループとなり、パンタグラフは下枠交差型、台車はSミンデンとなった。更に、補助電源装置がSIVに変更されている。側扉はハニカム扉となり、扉窓がやや縮小された。車内では袖仕切りが設置された。最大の変更点は電機子チョッパ制御を採用したことで、回生ブレーキが使用できるようになっている。チョッパ制御は6000系で界磁チョッパ制御が実用化されていたが、2000系の場合各駅停車運用が多いことから電機子チョッパ制御を採用することになった。又、電機子チョッパ制御は直流直巻電動機を使用しており、これまでの2000系の電動機も使用できることから、前年の1980年から従来の2000系に対しても電機子チョッパ制御に改造し、合わせて側扉も後期型と同じハニカム扉に交換した。更に後期型では冷房装置が新造時から搭載された。この冷房装置は既存の2000系改造車と全く同じものとなっており、スイープファンは装備していない。又、6両編成化が実施され、2400形・2500形の2両が組み込まれた。尚、従来の編成については200系や1200系、3200系と組むことで6両編成化を実現した。
1990年からは武庫川車両で更新工事が始まった。これは、2000系の初期車製造から20年以上が経過した為であり、後期型の2000系や他系列と比べた時に見劣りすることから実施されたものである。主な改造内容は化粧板の張り替え(白系のチェック柄)、扉塗装のクリーム色化、車内LED案内表示器設置、補助送風機のローリーファン設置、側面方向幕設置、方向幕の英字入り新幕化などである。1994年以降に改造した車両は中間車に車椅子スペースが設置されている。
1994年から1996年にかけて輸送力増強用として6両編成4本と6両編成化用として2400形(M)と2500形(M')を16両ずつ、被災代替新造8両の計64両が製造された。この時期になると、既にVVVFインバータ制御の時代であり阪神都市開発交通公社でもVVVFインバータ制御・軽量ステンレス車体の7000系の増備を行なっていたが、神戸線向けの新型車両についてはまだ開発段階であったこと、従来の編成にも組み込む必要があったことから2000系の継続投入となった。又、見た目を統一する為従来のコルゲート付きのステンレス車体・二段窓とした。このグループについては内装を従来の2000系の改造車に合わせる為に鋼体は東急車両で組み立て、艤装は武庫川車両で行うという手法が取り入れられた。尚、このグループをもって2000系の製造は終了し、6両編成26本156両が出揃った。
1995年1月、阪神淡路大震災が発生し、2000系にも被害が出た。2002編成2302号・2402号、2013編成2313号・2413号、2014編成2514号、2018編成2018号・2318号、2022編成2522号に被災廃車が発生した為、この補充分を新たに8両製造している。この時製造された車両は被災廃車になった車両の番号+30としている。
1997年には2000系の完全6連固定編成化が完了し、200系・1200系・3200系との混結は無くなった。
1995年より8000系が製造され、翌年1996年から量産が始まった。この8000系の投入により1999年に西宮線の1000系・1500系が撤退すると、西宮線の列車の全列車が200系・1200系・2000系・3200系・8000系の神戸線専用系列と3000系神戸線向け改造車といった高加減速車両に統一が可能となった為、2000系による西宮線の優等運用にも就くようになった。
2000年4月、京阪神都市開発交通公社は完全民営化により関西都市高速鉄道に移管され、2000系も全車関西都市高速鉄道に移籍となった。
2002年からはシートモケットを従来の茶色から青色に変更された。
2006年から2000系のリニューアル工事が施行された。主な改造内容は帯色の変更、化粧板貼り替え、座席のバケットシート化、ドアチャイム設置、LCD設置などである。阪神車両メンテナンスで施行された。この工事は4編成のみにとどまり、2008年からはメニューが変更となり、化粧板の貼り替え、ドアチャイム設置、ドア開閉ランプ設置、LCD設置、床敷物の貼り替え、座席モケットの貼り替えなどである。このメニューのリニューアル工事は残りの22編成に行われ、2016年には完了した。
2007年からは転落防止幌設置工事が行われ、2011年までに全車設置完了した。
2010年には運転状況記録装置の取り付けが行われた。
2012年からは吊り革の増設が行われ、2015年までに全車が完了した。
2016年からは室内灯のLED化が行われている。更に、同年からLCDの設置されていない方の扉上にパッとビジョンの設置が施工されている。
2018年現在、6両編成26本156両全車が西宮工場に配置しており、神戸線と西宮線で運行している。
1962年、神戸線の湊川延伸及び輸送力増強を目的に製造された。
当時、神戸線・四条畷線には小型車や200系・500系・1000系・1200系などが使用されていたが、高度経済成長期の真っ只中において、車両不足の影響で2両や3両などが残存しており、輸送力の不足が生じていた。そこで、編成両数の特急の6両化・普通の3両化を進めるべく、導入されたのがこの2000系である。
2000系は、19m級3扉と従来の規格を踏襲したが、従来車とは大きく一新した。車体は、東急車輛製造がアメリカのバット社のライセンスを受け、日本で開発したオールステンレスを採用した。デザインは、同年に製造された東急7000系をベースとした為、前面は東急7000系に近い三面折妻となり、Rが無くなった。前面には京阪神高速初の行先方向幕が設置された。正面左側の窓を二段ユニット窓とし、種別板を車内から掲出できるようにした。側面は、1500系と同じ窓配置としたが、コルゲートは腰部・幕板部のみとなり、戸袋部にあったコルゲートは廃止された。側窓は上段下降・下段上昇式の二段ユニット窓であり、上下の窓の大きさが同じ大きさとなり、オーソドックスなものとなった。車内は、クリーム系の化粧板に蘇芳色の座席モケット、ブラウンの床と在来車を引き継いだ。通風装置はラインデリアが装備された。床下機器は、従来のオールM構成を引き継ぎつつも一新された。台車は、ペデスタル式コイルばね台車を採用し、駆動装置をこれまでの直角カルダンから中空軸平行カルダンに変更した。主電動機は阪神のジェットカーに使われているTDK-814-B、出力75k Wのものを採用し、出力向上を図った。制御装置は一般的な電動カム軸式直並列制御とした。
まず、1962年に4両1編成が製造された。営業運転に入ったのは翌年のことで、それまでは試運転が続けられた。
1963年には4両3編成が投入された。当初、2000系は4両固定で限定運用されていたが、同年の秋頃から他系列との混編成も組むようになり、最大6両で運転された。更に、2000系は2両ユニットであるため、奇数編成が組めない代わりに4両を2両のユニットにバラして運転することが可能である為、バラして先頭+中間+他系列や2000系のみの6両などのを組むこともあった。
1964年には4両4編成が製造された。